~心理的検査・生理的検査の数値変化をもとに~
AOTのモニター施術では、「とても深いリラックスが得られる」「体も気分もすっきりする」といった感想をたくさん集まりました。
AOTの施術を受けることで、どのように・どのくらい 心と身体が変化するのか?
そこには数値的な裏付けがあるのだろうか? ということを確認するために、協会では以下のような実験を行いました。
➀心理検査
日本語版UWIST気分チェックリスト(JUMACL)を使用し、施術前・施術後における心理の変化を測定した。
・緊張覚醒度(T-A)
… 心の緊張度を測る。恐怖・驚き・怒り・悲しみ・喜びといった「情動」と関連の深い数値。
T-Aが高い場合、心が緊張しているネガティヴな状態であることを示す。T-Aが高いほど、注意力が狭い範囲にしか届かなくなる。
・エネルギー覚醒度(E-A)
… 元気かどうか、活動的な状態にあるかどうかを測る。知的活動と関連の深い数値
E-A が高い場合、エネルギッシュな状態であり、記憶力・集中力が高まっていることをあらわす。
AOT心理評価
施術前・施術後の気分について、「快―不快」「鎮静―覚醒」など5つの状態を13段階で回答してもらった。
【結果】
AOT心理評価
「快-不快」平均点が、2.93 → 1.40 と有意に変化
「リラックス―緊張」平均点が、3.67 → 1.67 と有意に変化
リラックスし、心地良い状態になった
JUMACL評価
T-A(緊張覚醒) 平均点が17.13 → 11.87 と有意に低下した
E-A(エネルギー覚醒) 平均点の有意な変化はなかった
恐怖・不安・緊張といった情動的な側面は低下したが、活動を推進するエネルギーには変化がなかった
総合評価
AOTの施術によって、心理的にほどよく緩み、だが集中力は損なわれていないという望ましい状態が得られることがわかった。
(心理検査のデータ調査は、金沢医科大学神経精神医学講師 北本福美氏が担当)
②生理的検査
施術前・施術後の唾液を採取し、2種類の化学物質の量変化を測定した。
・IgA(免疫グロブリン)… 唾液や汗、消化液などに含まれる抗体。外界から侵入する病原体など異物を排除する役割を担う。身体の免疫力の強さの指標とされる。
・コルチゾール… いわゆる「ストレスホルモン」。ストレス負荷がかかると、10~20分の短時間の間に2倍以上も増加する。このホルモンの過剰分泌が続くと、脳の海馬が委縮するなどの影響をもたらす。
【結果】
・IgA
被験者15人のうち、11人の唾液IgAが約1.7倍増加した。
体表面の免疫力が増強された。
・コルチゾール
被験者15人のうち、11人の唾液コルチゾールが約33%減少した。
いっぽう、2名で増加、2名で変化なし という結果も出ているが、コルチゾールが施術後に増加した2名のうち、1名の心理評価は、好―嫌スコア・鎮静―覚醒スコア・緩-緊スコア・満足―欠乏スコアの全項目で数値が高かったため、何らかの因果関係が存在する可能性がある。
統計的に有意な変化とは結論づけられないが、精神的なストレスを緩和させることが示唆される
総合考察(生理的検査のデータ評価を担当した和合氏による)
総合的に判断すると、今回、被験者に提供した五感療法は、体表面の免疫力に関与するIgA抗体の分泌を高めること、および精神的なストレスを緩和してストレスホルモンであるコルチゾールを減少させることが強く示唆された。
今後、反対の結果が得られた被験者において、心理評価も併せて継続的に療法を提供していけば、数値は改善されていくものと期待される。
(和合 治久 埼玉医科大学教授)
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